パートナーつなぎとめ戦術
パートナーをライバルに奪われないために、私たちは実にさまざまなことをする。デヴィッド・バスの研究グループは、これらを5つの大きなグループに属する19の戦術にまとめている。3グループはパートナーに向けた戦術、2グループはライバルに向けた戦術だ。
まずはパートナーに向けた戦術。 Iのパートナーの直接防護は、とにかくパートナーを自分以外の異性に近づけまいとする戦術だ。パートナーが行くといったところに不意に立ち寄ったり、パートナーの持ち物をのぞき見したりといった行動の監視。ほかの男(女)のいるパーティにはパートナーを連れて行かないといったパートナー隠し。余暇は自分とだけ過ごすようにパートナーにせがんだり、自分の空き時間はできるだけパートナーのそばにいたりといったパートナーの時間の独占。この3つだ。
Ⅱの負の意味合いの説得とは、それを受けたパートナーにとっては気持ちのよくない方法で説得しようという戦術だ。パーティでわざとほかの女(男)と話をしたりする嫉妬の喚起。浮気をしたんじゃないかと腹を立てたり、浮気をしたら別れてやるといったりするパートナーの浮気の非難。あなた(君)なしでは生きていけないと訴えたり、目の前で泣いたりして、パートナーをつなぎとめようとする感情の操作・誘導。お互いに忠誠を誓うことが大切だといったり、妊娠したといったりすることでパートナーの感情を操作し独占しようとする、パートナー独占のための操作・誘導、そして、パートナーの目を自分だけに向けさせるためのライバルけなし。この5つだ。
正の意味合いの説得は、それを受けたパートナーが、それを心地よく感じる方法で説得しようという戦術だ。プレゼントを贈ったり、すてきなレストランに連れて行ったりといった経済的資源の表示。お互いの関係を深めるためにするセックス(パートナーの性的誘引)。パートナーの目に自分が魅力的に映るようにする、みずからの外見の改善。パートナーがおしゃれをしていたらほめたり、パートナーの手助けをするといった愛情や思いやりの表示。そして、パートナーの願いをかなえてあげたり、パートナーのいうことにあまり反論しないといった従順さの表示。この5つだ。
ライバルに向けた戦術は大きく分けて2つ。1つはパートナーが自分のものであることを主張・宣伝する言動や行動だ。同性の友人に自分とパートナーはどんなに愛し合っているかを話したりする言葉による宣伝。ライバルの前でパートナーの肩を抱いたり、手を握ったりする動作による宣伝。パートナーに指輪をはめさせたり、自分のジャケットを羽織らせたりする装飾品などによる宣伝。この3つだ。
もう1つ、負の意味合いの説得は、あまりほめられない方法で同性のライバルがパートナーに言い寄るのをくいとめる方法だ。パートナーの悪口をいうことでパートナーの配偶者としての価値を下げ、ほかの男(女)が興味を示さないようにするパートナーけなし。パートナーに目を向けた男(女)をにらんだりするライバルヘの威嚇。パートナーに関心を見せた男(女)に暴力を振るうといったライバルヘの暴力。この3つだ。
どうだろうか? 多かれ少なかれ、ほとんどはしたこと、されたことがあるのではないだろうか。しかし、これらの戦術のなかには、男性の女性への肉体的暴力の兆しを示すものもある。次にそれらを見てみよう。
